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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第37章 初恋





「んー…」

少し迷ったけれど、

「眠たい…」

素直にそう告げてみた。

「そうか…こうしててもいいか?」

優しく抱き込まれて
そのあたたかさと心地よさに

「ずっと、」

つい本音が洩れてしまう。

言ってから、少し身構えたけれど、
やってくるはずの罵声は聞こえてこなくて

「ずっと?…あぁ、ずっとこうしててやるからな」

代わりに
ひどくたわやかな…
子守唄みたいな優しい声が降って来た。

なんだろう、コレ。

ねぇ、

「宇髄さん、」

「ん…?」

「宇髄さんだいすき」

あーあ…
言っちゃった……




















「他の人を試してみたいとか
思った事ないの?」

「なん…っ!何?」

何という問題発言。
もろに食らった俺は
情けない事に上手く言葉も紡げなかった。

結局あのまま、睦を好きに抱き
畳の上に転がった俺たちは
着物を乱したまま、
取り留めのない話を始めた所だった、

…のに、

突然睦のあの発言だ。
コトの終わりに、
甘い睦言…とは行かない所が
睦たる所以だ…。

「えぇ?…だって、
初恋のままなんでしょう?
ちょっと違う人が気になったりとか…
私じゃない人もいいなぁって
思ったりはしなかったの…?」

まだ言うか。
呆れた女だ。
自分以外の女を推奨するかのような物言い。

「俺が、他所の女のモンになっても
いいって構えか?」

「そんなわけない!」

「どうだろうねぇ…」

相手はこの睦だ。
天然でぼんやりしてて
お人好しのこいつの事だから
もしかしたら
俺のことも譲っていたかもしれねぇ。
まぁ、今となってはあり得ない事だが…
まだ付き合いが浅い時だったら
怪しいモンだ。

「じゃあ睦はどうなんだよ。
俺以外の野郎が気になった事あんのか?」

「そんな事あるわけないでしょ」

えーえ……

「ンなのおかしいだろー?
じゃなんで俺にはそんなこと訊くんだよ」

「だって男の人は、
同時に何人も女の人を好きになれるって」

「誰がそんな事お前に言うの」

「須磨さん」

アッホ‼︎

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