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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第37章 初恋









「…天元?」

「…っ、あぁ、悪ィ」

「悩んでたって何を?」

心配そうな目で見上げてくる睦。

「あぁ、どうやって声かけるかなーってな」

「そんなふうに悩んでたとは
思えないくらいにフツーだったよ?」

「俺は天才だからな。
自分すら操れんのよ」

「…操る必要があった?」

首をひねる睦。
相変わらず、仕種が小動物で
可愛らしい。…

「そりゃそうだ。
俺の方はずっと見てたし想ってたけど、
お前にとっちゃほぼ初対面だろ?
いきなり告白したって答えはわかりきってるし
失敗するワケにはいかなかったからな」

「そう、なの…」

「どうしても睦を手に入れたかった。
それだけだ」

抱きしめた睦の鼓動が
着物越しにも伝わった。

未だにときめいてもらえる。
それがなんと幸せな事か。

「なぁ…俺は未だに初恋を引きずってんだけど
…睦も、俺が初恋?」

紅色に染まっている頬に口づけると
ぴくっと肩を跳ねさせた。
…こうやって俺を感じてくれるのってイイ。

まだ、俺の事を意識している証拠だ。
これだけの時間を過ごして
数えきれないくらい身体も重ねて子まで出来て、
それでもまだ、男として見てくれてるのって
俺としては幸せでしかねぇ。

もっと近くに来て欲しくて
自分の膝の上に、その身体を引き上げた。

「…っ」

急な事で身体がついて来ず
俺の胸元にぶつかるように体制を崩す睦。
足を崩して座るような格好になり、
乱れた裾から真っ白な脚が覗いた。

…こう、…普段隠されている場所が
不意に見えてしまうと、…
それが睦だった場合に限るが
ドキッというか、ムラッというか
…取り敢えず邪な感情がやにわに湧き上がる。

何度も抱いてるし、
裸だって見慣れているはずなのに
ほんの少し脚が覗いたくらいでこのザマだ。
…どうなってんのかな。
コレ、果たして『普通』なのだろうか…?

狂ってるかな。
だとしたらこんなのが相手で
睦はやっぱり哀れだな…

こんな狂気に、
付き合わされているワケだから。


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