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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第37章 初恋





「だって…自分がもう終わってるだなんて
そんな話、回避したくなって当然でしょ…
弥生はあんなに楽しそうだから
自分の時はどうだったかななんて
考えたりして」

項垂れて結局曝露する私を覗き込み

「ソレなんなんだ。
終わってるって何がだよ」

眉を寄せた。

「別に悪い意味で言ってるわけじゃないよ?
私だってきらきらの時はありましたから。
今だってすっごく幸せだし。
でももう初めてはあんまりないんだなぁって。
だからそれを含めて幸せなんだけど…
弥生はこれからなんだなって思ったら
やっかみじゃなく、いいなって思っただけで」

しかも最初の頃は素直だったなんて事を
言われてしまって、
私はもう打ちのめされていた。

「……あー…」

私のあやふやな話を聞いて
思い当たる事があったのか
彼は納得したように2、3度頷いてみせる。

「初めて、ね…。つまり刺激がほしいと」

刺激が?ほしい?
……そうかな?

ぎゅうっとしかめっ面になった私を見て
プッと吹き出して

「はいはい。よーくわかったよ」

テーブルに片肘を突いた。

「そっか…。弥生は出かけたのか?」

「…うん」

わざと『何処に』出かけたかは言わなかったのに

「…ヤツと一緒なんだろ?」

じとっと目を細める…。

「…ヤツ?」

「ヤツだよ、敏だろどうせ」

「サトシ…」

私はもう目が点だ。

「睦も睦だ。
わかっていながら可愛い娘をあんな
貧弱なボンボンのとこへやるなんて…」

「……」

…弥生ちゃん。
お父さんは、あなたの上を行っていたわ。

『相手のこと調べ上げそうだから』

……もうとっくに調べはついていたみたい。
名前まで知ってるもの。
貧弱なって事は姿も見たことあるし
ボンボンって事はおうちまで知ってるのだ。

「怖い!弥生に嫌われても知らないからね⁉︎」

「俺は睦がいりゃそれでいい」

「ウソよ。あんなに溺愛してるくせに!」

「お前がヤキモチ焼くほどだもんな」

あー…わかっていらっしゃった。

じろっと睨むと、にかっと笑って

「そういうとこは可愛いな」


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