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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第36章 満つ





ガッと髪を掴まれて
真上に向かった引っ張られる。

「んん…!」

離れたいのに離れられず、
怒ったような声を上げるが……
絶対ぇ離さねぇし。
むっかつくあの野郎。

……いや、皐月に鞍替えしたのはいい。
大いに結構。
睦が俺だけのモノに戻ったのだから。

何が気に食わねぇのかって、
睦を哀しませた事だ。

フラれたって何。
睦は俺しか知らねぇんだから
そんな経験、した事ねぇのに、
わざわざそんな悲しい思いをさせてくれやがって。

俺がこんなに大事に可愛がってるってのにだ。


どうにも離れない俺の、
今度は額に手をかけて
ぐぐっと押し上げた。
まぁあの手この手で邪魔をして下さる。

「……なんなのよ。収まらねぇんだけど?」

「なんの、話よ…っ、もうやめて…」

「やだね。なぁ、この向きの口づけ、
すっげぇ善くねぇ?」

まさかの発見を、共有しようとすると、

「えぇ…⁉︎何…何言い出すの⁉︎」

何故か怒り出した。
頬を真っ赤に染めて怒られてもなぁ…。

「あれ?ダメか?
舌がぴったり合わさる感じが…」

もうその先を言うなとばかり
両手で頬を叩かれた。
パチンと、割とイイ音が鳴ったけど…。
容赦ねぇな。

「お鍋が噴きこぼれたらどうしてくれるの?」

「ん?んー……ごめんな」

それだけ⁉︎みたいな目を向けてくるが、
……大事だろ、謝罪。

「……ふふ、」

さも面白げに笑う睦。

「なんだ?」

「私のごはん、大事にしてくれてると思ってた」

「蔑ろにされたみたいで怒り出すかと思ったが
そうでもなさそうだな」

せっかく作ったんだから
もっと大事にして!って
どやされるのを想像していた。

「あぁ…そうだね。でも
全然嫌な気がしないんだ」

「そりゃそうだろ。
悪ィが、お前が作ったメシより
睦が上なのは当然だからな。
最上級だから」

その思いは、
正しく伝わっていると思いたい。
いや、伝わっているから
『全然嫌な気がしない』んだろう。

「初めて失恋した睦ちゃんを
慰めてやる準備は出来てるけど?」


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