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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第7章 予定調和




「そ…なの…?」

胸元の俺の頭をよしよしと、ゆっくり撫でてくれる。
なので、おとなしくそこにもたれかかると、
今度は背中をさすってくれる。
何だコレは…寝かしつけ?
その手は時々止まり、
思い出したようにまた撫で始める。
自分は半分以上寝てるくせに、
よくそんな事が出来るもんだ。

「なぁ…」

イタズラしても
まったく起きねぇ睦に声をかける。
返って来るのは、気持ちよさそうな寝息。

…そんなに、無理させたか?
…否めないか。
でも、

「なぁ睦」

声が、聞きてぇ。
俺は伸び上がって、睦の顔を覗きこむ。

「睦」

ちゅっと、口づけをする。

「…んん…」

あ、返事した。

「なぁ、おい」

もう一度口づけて、
艶やかな唇をペロリと舐めてみる。

「…ん…はぁい…」

甘えたような、寝起きの声。
久しぶりに聞いた、俺の大好きな声。
ぎゅうっと抱きしめながら、
睦の唇を食う勢いで口づけてやると、
さすがに目が覚めたようで…

「んんっ…なに、してるんですか…まだ…ねむ…」

俺の胸を押し返してくる。

「起きた?」

「…ん—…起こされました…」

目をこすって、ふにゃふにゃと喋り出した。
半分しか開かない目をぱちぱちと瞬かせ、
俺に焦点を合わせようと眉を寄せる。

「…睦は何しても可愛いな」

「ん…そうですね…」

「——聞こえてねぇだろ」

「…そうですね…」

「テキトーに返事すんな」

「…え?何ですか?」

全っ然会話にならねぇ。

「睦、俺のこと好きだろ」

「…そうですか」

「俺もお前のこと好き」

「はい…」

「もっかいヤッてもいい?」

「はいはい…」

……

「お前寝てるだろ!」

睦の頭に手をかけてぐるぐる回してやる。

「あぁー!やめて下さいー!」

動きを止めようと、俺の腕を両手でつかんでくるが、
やっぱり力が入らないようで…
俺はぱっと、その手を離した。

「…何だ睦、体調、悪ぃか?」

「…」

ぼけっとした睦に話しかけるも反応がない。
見るからに様子がおかしい。







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