• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第7章 予定調和




暗がりからは、気の早い虫の音。
それに混ざる、愛しい寝息。
俺は腕の中にあるぬくもりを抱きしめる。
こいつの顔を見た途端、
今まで押さえ込んできたものが爆発した。
つい、俺の所へ来いなんて口走ってしまった。

それに対して、
ごはんを食べたいって事かと、答えた睦。

諦めていた、昔の記憶。
それを、こいつは思い出していた。

「…遅ぇんだよ」

可愛い寝顔に口づける。
そんな事、一回し出したら止まらなくなって、
疲れ切って眠る睦も起こしてしまう勢い。
いつもなら起こさないように気を遣う所だが
今日ばかりは、俺の好きなようにしたい気分だ。

「…ん…」

少し、身じろぎし出す。
でもこいつは、寝ぼけるばかりで、
なかなか覚醒しないのを俺は知っている。
額にも瞼にも、頬にも耳にも、
とにかく顔中に、唇を押し付ける。

あー…帰ってきた。
俺は、帰ってきた。

このご褒美は、
もうこいつが作った朝メシ以外ありえねぇ。
早く、朝が来ねぇかな…

そんな事を考えながら、
睦の裸の肩に口づける。
寝ながら、ぴくっと反応する。
俺の頭を抱き込んで、

「…ゃ…」

小さく抵抗する。
…そういうの、逆効果だぞ。
加虐心の芽生えた俺は、
今度は首の付け根にそっと唇を触れさせる。
ぞくっと背筋を震わせ、
俺から離れて行こうとする身体を引き寄せて
今度はそこに、軽く歯を立てる。

「いっ…」

瞬時に身を引いて、うろっと目を開いた。
恨めしそうに俺を見る事も想定内。
いつもなら文句の1つももらすのに、
今日は相当疲れているのか、
そのまま目が閉じられていく。

文句もねぇならと、
再び肩に吸い付く俺の肩に手をかけて

「ん—…」

抗議の声を上げる。
力の入らない、ゆるい抵抗なんかじゃ止まれねぇ。
胸元まで下りていく口づけにも、
覚醒しきれない睦。
俺はやりたい放題だ。

愛しくて、たまらねぇんだよ。
お前の味が忘れられなくて、際限なく
貪ってしまう俺は、もう中毒なんだと思う。

「…ぅずいさん…ねられ、ないの…?」

おや、と、目を上げると、
目を閉じたまま呟く睦。

「…寝らんねぇ」

こんな素晴らしい夜に、寝てなんかいられるか。


/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp