第36章 満つ
でもそのまま、
胸の頂を大きく口に含まれて
「あぁ、は、う…んっ」
一気に甘い声に変わってしまった。
舌先で優しく転がされたり、
ぎゅうっと強く押し付けられたり
ぢゅっと音を立てて吸い上げられて…
起きたばかりの身体には
何をされても
強い刺激にしかならなくて
目の前がチカチカしてくる。
自分の身体が
どんどんおかしくなっていくのがわかった。
さっきまでの緊張なんか
感じる隙もないくらいの甘い刺激。
耐え切れなくなって
側頭部を枕に擦り付けた。
そのはずみで、私の口内から
彼の指が抜けて…
「やっ、んやぁあ…っ」
声が出てしまう。
「睦…?
俺はいいけど、お前は困るだろ?」
「え…ぁ、ん…っ」
伸び上がってきた彼に
喘ぎを唇で塞がれた。
そう、かも。
抑えられない声は、
誰に聞かれるかわからないから…
だけどこれは…この口づけはだめかも…
「ん、ぅんん」
口内を食べ尽くす勢いで迫る口づけ。
うまく息も継げない。
苦しくて、でも気持ちいい。
委ねるだけじゃなく、
こちらからも求めてしまうから
彼の気を良くしてしまって、
行為は激しさを増すばかりで…
「んんぁ…!」
口唇は離れても、舌は絡めたまま。
空いた手が胸の飾りを優しく擦って、
それだけでもたまらないのに
具合を確かめるように
恥ずかしい所を擦り合わされて
「っあ…ぁ、あんっ」
おかしな声を止められない。
胸を弄られると、
その刺激と連動するように腰が浮く…
「睦…お前かわい…」
余裕なさげな声を聞かされて
もっとおかしくなってしまう。
私の内側から
愛しさが溢れてくる…
「っやぁ…っ」
張り出した先端が
入り口を何度も引っ掻いて…
高く上がる声を熱い唇で塞がれた。
「ふ、…っんん、んん…!」
私は彼の頭を抱きこんで
思い切りしがみつく…
クッ、と引かれた腰が再び進んだ瞬間
「ん、ひんぅうっ」
熱いモノが私の中心を割り入った。
上も、下も埋められて、
苦しさと、快感に責め立てられて…
涙を流しながら
声にならない喘ぎを繰り返す。
「睦……睦、」
熱っぽく、名前を何度も首筋に囁かれ、
ふわりと体温が上がった気がした。