• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第36章 満つ





私を押さえつける力も、
何度も寄せる唇も
昂ぶっていくように上がっていく息遣いも
全てが色を帯びていて
そんな言葉信用できない。

「もう朝でしょ?」

「まだ早い」

「…よからぬ事を、考えてる」

「愛を確かめるのが、よからぬ事か?」

「それは…違うけど」

「元気になった、よな?」

「ん、」

求められて、嬉しくないわけはない。
未だに私を
女として見てくれているのはひどく幸せだ。

体調は間違いなく正常だったし、
拒む理由も特にない。
元より私は、
この行為に幸せを感じてしまうから。

紅い襦袢に入り込むあたたかい手。
何度触れられても、
胸は跳ねるし緊張もする。

彼の背中に力一杯しがみついた私に
くすりと笑い

「怖く、ねぇよ?」

揶揄うように、
でも優しく言った。

「そんなのわかってるよ…」

さすがに私だって
もうそんなこと思わない。
でも、…

「緊張は、怖いうちに入るのかな…?」

「緊張、…は別、か……
つぅか、…緊張してんの?」

「う……ちょっとだけ…」

本音を曝すのもそわそわするな。
だって、ばかみたいでしょ?
未だに緊張するとか…。

そんな私を見下ろして、
詰るわけでもなく
幸せいっぱいな笑顔を零した天元は

「まだ当たり前にならねぇの?」

私の腰紐に手をかけた。

「全然当たり前じゃないよ。
すっごくどっきどき」

知られたついでに
すべて吐き出す。
そうすれば、緊張も解けるかなぁと
思ったんだけど。

「またそんな可愛い事を…」

腰紐をしゅるりと抜かれて……

「…待って、脱がす気?」

更に身を硬くする事になってしまった。
同時にその動きを止めようと
腕に手を掛ける。

「…そのつもり。嫌か」

「イヤ、じゃないけど、」

…落ち着かないかも。

「…じゃめくる」

「えぇっ…」

襦袢の合わせを両側に開かれて、
いつのまにか自分の夜着を脱ぎ捨てていた彼に
裸体を覆い隠すようにのしかかられた。

触れ合う素肌にため息が洩れる。

大きな手が顎を掴み、
人差し指が私の唇を割った。
指先を下顎に押し付けられて、

「ん、く…っ」

苦しさに呻く。


/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp