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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第35章 満天の星の下





会話をしているみたいだ…。

「睦…」

いつもと同じ、
優しく呼ばれて、

「うん…?」

返事をしても
その続きは訪れない。
見上げようとすると
それを阻止するように
ぎゅっと押さえ込まれた。

「…なぁに?」

仕方なく、ただ訊いてみる。

「いや、…ここにいるなぁと思ってな」

「いる?」

「あぁ、…睦が、いるだろ?」

「私は、いるよ?…ふふ、どうしたの?」

するっと、背中に手を回す。
よしよしとそこをさすりながら
つい笑ってしまった。

そうでもしていないと
泣いてしまいそうだったから。

こうやって、私の存在を確かめているでしょう?
急に不安になった?
私、そんなふうにさせる何かをした?
どこかに行ってしまうとでも思ったのかな。

「あぁ…どこにも行くな」

……

「…天元…、私の心、読めてるの…?」

「ん?」

「さっきから、私の心と会話してるみたい…」

「そうか…?俺にはそんな力ねぇよ」

「そうかな…。あるよね。
私が何も言わなくても、
いっつも助けてくれるもの…」

「何で睦までしんみりしてんだ」

「天元こそ、なんで急にそんなになっちゃったの」

「お前が、
いつまでこうしてられるかなんて思うからだろ」

‼︎

「いつまでも一緒にいられる」

わかってる。
私の心が、…。

「何で…」

「何でかなぁ…愛してるからじゃねぇ?」

「…そうなんだ、」

「納得するのか?」

小さく笑った天元が、
私のおでこに唇をつける。

「だって、そうであってほしいから」

「そっか」

「ずっと一緒にいてくれる?」

「いるよ。お前のとこに」

「ずっとって、…ずっとだよ?」

「ずっとな」

「ほんとに、わかってる…?」

「この俺様が、わかってねぇと思うのか?」

思わない…

「切ないついでに、
思ってること全部言ってもいい?」

「んー…」

「…言わなくてもわかっちゃう?」

「いや。さすがにそこまでわかんねぇし
睦から聞きたい」

聞きたい、
と言ってもらえてホッとした。
聞きたくないかなぁと
どこかで思っていたから。


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