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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第35章 満天の星の下





片手は私のおでこに保冷剤を充てたまま
もう片方は私の腕を掴んで持ち上げたり
髪をよけて肩のあたりを確かめたり、
真っ赤になった膝を指先で撫でて
慰めてくれた。

「えぇ…?」

「えーじゃねぇよ。
何でこんな事になったのか訊いてんだよ」

「何でって…」

「あるだろ、ワケが。
あーあー、肘まで真っ赤。
他は?痛ぇとこは?まったく…
コトと次第によっちゃ
これから1人で歩かせてやんねぇぞ?」

「えぇっ」

「当たり前ぇだろ。
こんななんもねぇとこで
すっ転びやがって… 危ねぇったらねぇな」

天元は周りを見回して
私の抱き枕を見つける。
そして厳しい目を私に向けた。

あぁ、わかってるよ…
ちゃんと、片付けろって言うんでしょ…?

「ごめんなさい。ただの不注意だよ…」

「これからはおてて繋いでやるからな」

どうだろうこの過保護っぷり…

「大丈夫ですー」

もしくはひどいおちょくり方だ。

「で?何してたんだ」

「……」

そうだよね…。
この人が事情を諦めるはずもない。

でも、こんなことを言うのもなぁ…

「別に…何も、」

「何も?ただ
ぼけーっと歩いてただけだってのか?」

「あっ!うん!そう」

「そっか。まぁそんな事もあるか」

「うん、」

「なんて言うと思うか」

「え…」

「俺がそんなこと言うワケねぇだろ。
ちゃんと話せ。
こんな所に抱き枕があってもなぁ、
前向いて歩いてりゃ…
つうか目ぇ開けてあるいてりゃ
なんか物があるなってわかるモンだ。
それもわからかねぇのはな、
よっぽど考え事してたか、
目ェ瞑ってたかなんだよ」

叱るみたいな話し方。
私は何も言えなかった。
全部見透かされてるみたいで。

「そこまで何を考えてた?
そうじゃねぇなら、なんで目ェ瞑ってた」

さすがというべきか、
天元の中で、もう2択まで絞られている。
ごまかしはきかないって事ね…

ボケーっとテレビを見ていた天元に
そこまで言われてしまったのだ。
もう隠しておくこともできないんだろう…

結局私のことなんか、全部お見通しか。

「…ちょっと、試したかったっていうか」

しかたなしに
私は説明を始めた。


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