第35章 満天の星の下
「ごめんなさい…。
だって…私だけ、なんてヤだったんだもん」
「なー、もーさぁ…!」
俺はどうしようもなくて
行き場のないこの感情を
睦を強く抱きしめる事で
やり過ごそうとしていた。
——無理だと知りながら。
「お前だけなんて事あると思うか?
こっちはめっちゃ我慢してんのに
いっつもそれをぶっ壊してくれて
ありがてぇ事だよホントに」
「ふふ…じゃあ、よかった…」
「良くねえんだよまったく…」
言いながら睦の夜着の裾を手繰る。
「…やさしく、してね?」
「そりゃもう、拷問だなぁ」
どうしたモンか考えながら
体制を整えた。
「これなら、痛くねぇか…?」
腰を反らさないよう
ぴったり隙間を埋めて背中に寄り添う。
「痛くはないの。ちょっと、…
まだ違和感程度」
「無理したら痛むだろ。…動くなよ」
「ん…」
脚もぎゅっと閉じて揃えさせ
膝裏を抱えた。
その隙間をぬって欲を差し込むと
「ん…あ、」
静かに上がる甘い声。
愛しいな…
甘い香りのする首筋に鼻先をうずめ
「…ほんとにすんのか?」
さっき煽られたおかげで
すっかり元気になった欲を
入り口に充てがったまま
最終確認。
…この状況で訊く事じゃない事は
重々承知だ。
だって俺がムリだから。
睦は前を向いたまま
うんうんと頷いた。
痛みそうな腰を抱えて、
それでももう1回したいとか可愛い限りだけど。
後ろめたさもある俺は
なんとも言い難い気分だ。
「無理なら…言えよ」
中断することが出来るかはわからねぇけども。
期待に濡れそぼった睦の中心が、
俺の欲を飲み込んで行く。
「…っんぁ、あ、ん」
熱くうねる膣壁が
奥へ奥へと誘い込むように絡み、
それが俺をたまらなくさせた。
「お、前…どんだけ、欲しかったの…」
「あ、あん…っ、だって…すき、なのっ、」
「すき、って…」
好きってなんだよ。
ほんと勘弁…
「俺が?…する、のが…?」
奥まで到達した欲で
小さく振動を送ってやると
腹に回した腕を強く掴まれた。
問いかけておきながら、
こんな律動を始めたら
答えるに答えられないか…