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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第35章 満天の星の下

















「ねぇ…」

「………」

「ねぇったら…」

「………………」

「なんで寝たフリするの?
起きてるくせに!」

両手で肩を掴まれて
ぐらぐら揺すぶられて
脳みそが動く…!

「あ″ぁー‼︎寝てんだよ俺はー」

「起きてるじゃない!」

「なんでお前は寝ねぇんだよ。
いつもコロリだろうが」

せっかくおさまった欲を再発させない為に
穏やかな眠りに就こうとしていた
優しいとも言える俺の平安を
見事に邪魔する愛しい女。

自分だけ夜着をきっちり着込んでいるのが
俺を遮断しているようで
気に入らねぇが…。


終わるか終わらないかの所で
意識を飛ばす、
もしくは
終わってひと言ふた言交わしただけで
眠ってしまう睦は、
何故か今日に限ってオメメぱっちりだ。

「…なんでかな。でも眠れないんだもん」

「なんだそれ。
足りねぇっていう文句なんだったら
喜んで受けるけど?」

「っちがう。それはもういい」

「うそばっかり」

上体を起こして
睦の顔の両脇に肘を突く。

「う、うそじゃないよ!」

「なんだ、…どうしたんだ?」

「えぇ?」

「ほんとにオメメぱっちりな」

「……うん、そうなの」

「え、そんなに足りなかった?」

「なにが…」

「ナニか訊くのか?」

「……」

ちょっと怒ったように俺を睨み
くるっと向こうをむいてしまった。

相変わらずだ。

「可愛い睦ちゃん…
怒らないでこっち向いて?」

細い腰を引き寄せ
ぴったり身を寄せるが
睦は枕にじゃりっと顔を押し付けた。

「睦ー」

「もういいよ。お話したかっただけなのに
そうやって茶化すんならもういい」

あーあ、いじけちまいやんの。
それにしても、
いつもと様子が違うな…

「ほんとにそうか?」

睦の夜着の襟をくいっと引っ張った。

「お前が俺としたいのは、オハナシなのか?」

俺が言っていた事は
あながち間違っちゃいなかったような気がする。

「俺のこと、意図的に遠ざけてるだろ」

「……」

「1人だけ夜着なんか着こんじゃって
隔たりを作るワケは?」


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