第35章 満天の星の下
柔らかい壁に何度も押し付けては離し、
たまに擦り付けると
おもしろいくらいに濃い反応をする。
「ここ…イイだろ?
このまましてれば、イけるぞ」
「や、だ…っんぁあ、やあぁ」
睦が腰を反らさないよう
背中を丸めて押さえ込む。
そうすると、
してるとこを覗き込む事になって
それに気づいた睦が
「やっ!見ちゃやぁっ」
涙を浮かべて、
いやいやと首を振る。
なんだかなぁ…
「…お前ヤケに恥ずかしがるな。
どうした、」
「わか、んな…でもコレ…はずかし…
も…赦して、よぉ」
「んー…ムリ」
言いながらクイっと指を動かす。
俺にされるがまま、
抵抗のしようがない睦は
操り人形のように俺の思った通りに
動くしかなかった。
「やぁんッそこ…っ」
「あぁココなぁ。ちゃんと覚えて、
俺が居ねぇ時に遊びな」
「い、っやぁ…、」
睦は大きく首を横に振り、
「天元が、いい」
恨めしそうに、
髪の隙間からこちらを見上げる。
あれー…
「…可愛いなぁお前は」
自分でもイヤなのか。
「そんなに俺がいいの?」
「…うん、言ってるでしょ…っ、
他、じゃだめ、って…ん、ぁあっ」
「そ、かよ」
可愛い事を言われて、
全身の熱が上がる。
愛しさが波のように押し寄せて
目の前の女を愛したいと
身体中が叫んでいるみたいだ。
「ね…っコレ…した事、ある…?」
「…誰と」
睦がどこのどいつと
いつナニをしたかなんていう
イラっとするような話、
まだ聞かせるつもりなら
容赦しねぇけど。
「天元、と…っ」
俺…。
「……ねぇよ…?」
「あ、天元はなしてっ…やぁあ!」
「今、離したら…ツラいんじゃ、ねぇの?
イきそ、だろ?」
「や、あ、あ、あん!イ、くの
も、こわいぃっ」
怖い…
珍しく、俺の方に既視感が…
前にも言われた…?
いや、…睦がそんなこと言うだろうか…
演技ならまだしも、
睦は俺には演技なんかしないし。
でも聴き覚えがある。
この声で、言われた。
その度に…
「怖くねぇよ…俺がいるから…な」
その度に俺はそう言うんだ。
なんだ、この感覚…