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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第34章 反抗期





「だって…普通そう思うじゃない」

「普通なんて知らねぇよ。
何が普通なんだよ、
長男をがんじがらめにする事がか?
それを言うなら俺も長男だったけど
見事に好きなようにさせてもらったわ。
その俺がお前に偉そうなこと言えねぇなぁ」

珍しい…
天元が身の上話をした。
しかも睦月相手に。

腹割って話そうと、
そんな気持ちが伝わって来る。

「僕に課せられる事はないって事?」

睦月の悲痛が伝わった気がした。

そっか、立派に『男』なのね。
男の子、ではないのか。

「ある」

すかさず応えた天元。
睦月はその答えをじっと待った。

「今まで通り、家族でいる事だ。
ただなぁ…睦を守んのは
俺だけの役目なんだよ。
お前にも譲ってやらねぇよ」

べーっと舌を出してそんな事を言う。
…子ども相手になんて事をするんだ。

「家族でいる事ってなに」

ちょっとムッとしたのか
睦月は眉をひそめて問う。

「言葉通りだよ。それ以上は教えてやんね。
てめぇで考えな」

中途半端に放り出す天元…。

…これは絶対に、…。

「…なぁ睦月よぉ、わかってんの?
俺が1番言いてぇことわかってる?」

「…はぁ?」

真面目に考え込んでいた睦月は
天元の質問にふわっとした返事で応えた。

そりゃそうだ。
わかるわけがないと思う。

「いっつも俺が睦を
いじめてるみてぇな言い方しやがって。
俺らめちゃくちゃ愛し合ってんよ。
睦は一生俺のモンなわけ、
お前にもやらねぇの」

「ちょっと天元…!」

「わかってるよそんな事」

すんっと
落ち着いて睦月は返した。

えぇ…

いやいやそんな事よりも!
なんて事を言うのだ、恥ずかしげもなく。

「わかってんなら何だあの態度は」

「言ったでしょ、悔しかったんだよ。
お母さんを独り占めするお父さんが
イヤでしょうがない。
僕のお母さんだからね!」

「睦月…」

やだ可愛い…!

そんな事を考えた私の頭を軽く小突き

「俺の女だ」

睦月に凄む。
誰に向かって言ってるんだっけ?と
考えてしまうほど、
息子に対して言う言葉ではない。

だからって、そんなふうに言ってもらえて
ときめかないわけがない。


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