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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第34章 反抗期




「お母さんが台所にいなかったから、
調子でも悪いのかと思って」

相変わらず早起きだな…

「ありがとう、ちょっと先に
弥生の事をしてたんだ。
心配かけてごめんね、」

「お姉ちゃんの?そっか
ならよかった」

にっこり笑ってくれる睦月は
穏やかでとってもいい子…
なんだけど…

ちょっと胸が苦しいところがある。

「睦月?」

「はい」

私の固い声に、
睦月は佇まいを直した。
きゅっと口を引き結んで
真っ直ぐに私を見据える。

「私ね、睦月のこと大好きよ」

「え?…うん、」

ちょっと照れたように頷く睦月。
可愛いな。
まだまだ私の、かな?

「でもね、天元のこともだいすきなの」

睦月に向かって、
天元の事を天元と呼ぶ事はあまりして来なかった。
この子たちに話しかけるときは
必ず『お父さん』と呼ぶようにしていたのだ。

でも、今はわざとそうしなかった。

睦月はふっと、天元に目をやった。
天元はといえば、
片眉を上げて私の様子を窺っている。

「だから、
睦月が天元にキツくあたるの、私悲しいな」

「そんな事ないよ、お父さんの事…
きらいじゃ、ないもの…」

少し恥ずかしそうに頬を染めて
睦月は目を泳がせた。

なんだか可愛い反応だ。

「そう…?」

「そうだよ、」

「じゃあどうしていつも
そんなに冷たくするのかな…。
私やお姉ちゃんには優しいのに」

「……」

黙り込んだ睦月を見かねて

「おい睦。
俺目の前にして、
そんな言いにくいこと訊いてやるなよ」

天元が苦笑いをしながら助け舟を出す。
あ……そっか。

「ごめんね、睦月…!
そうだよね…」

「…ううん。いい。
お父さんも、そう思ってる?」

睦月は意を決したように、
天元を真っ直ぐに見た。

「俺?んー…まぁ、
好かれてるようには思えねぇよな。
いちいち嚙みついてくるし」

「そうなの⁉︎」

勢いよく聞き返す睦月に、
少し驚いて

「あ、ぁ…、そりゃそうだろ。
お前俺を見る目が違うからな」

天元はコキコキと首を鳴らした。

その言葉を聞いた睦月は
あからさまに肩を落としてしまう…。

「睦月…?」

何を話そうとしているんだろう。


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