第34章 反抗期

だらしなく、四肢を開いて
彼に委ねるしかない。

「睦悪ィ…ッ」

ズルっと…
挿入の角度が変わって、

「もっと、善くしてやりてぇけど…
もう持ちそうにねぇ…ッ」

さっきまでの優しい刺激が嘘のように
荒々しいものになった。
今度は、彼が達する番…？
回らない頭で、そんな事を考える。

「ひっ…や、やッあ！あ、っあぁ！」

さっきの余韻が手伝って
何をされてももれなく気持ちいい…
でももう、むりかも…

朦朧とした意識の中、
全身を抱きしめられると
こんな激しい行為の最中だというのに
ひどく安心する感覚に囚われて、

…身体に受ける刺激と
胸の内から溢れる反応に
落差がありすぎて
私は大いに戸惑った…

……あぁ、
私は、どこまでこの人に翻弄されるのかな…

身体のあちこちが限界を超えていて
正常に反応していない。

終わりに向かって強く腰を進める彼に
深く絡め取るような口づけをされて
逃げ場のなくなった私は
もう意識をとばしてしまいそうで…

「睦…、もっと、欲しがれ」

緩急をつけた律動に

「ぃや…ぁあぁああっ」

追い詰められた私は全身で逃げようと、
無意識に天元の肩に手を突いて
伸び上がろうと試みる。

それを察した天元も、
体重をかけて私を押さえつけ
更に快感を貪った。

私はイヤイヤと首を振るのが関の山。

「離したく、ねぇ…」

囁くような、熱のこもった告白に、

「…っお前、…ンな余裕あんの、かよっ」

ナカをうねらせて
彼を奥へと誘い込んでしまう。
その具合が善かったのか
天元は何かを堪えるような表情を浮かべた。

余裕なんかあるわけがない。
誰のせいなのか、わかってないのかな……
私をこんなにおかしくしてるのは
他でもない天元だというのに。

「…天元…ぜんぶ、ちょうだい…」

カクカクと全身の痙攣を止められないまま、

頭ではやめろと命じているはずなのに
私のこの口は、とんでもないことを口走る。

なけなしの理性は
まったく役に立たない。
欲に溺れた自分さえ
どうにも出来ないのだから。

「…ん、全部、睦にやる…」

速さを増した天元に突き上げられているうち、
私はそのまま
ふわりと意識を失った。