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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第34章 反抗期





俺が、居るとは
夢にも思わなかったよなぁ?
いつもなら居ねぇもんな。
睦月もさっき
その事で驚いたばっかりだ。

だが、たまには違う事をしてみるモンだ。
知らねぇ事を知ることができるんだから。
そう、弥生のこんな暴挙を、
睦は俺に話す気なんかねぇだろう。

まさかの事態に顔面蒼白の弥生。
自分が何を言ったのか、
ちゃんとわかっている証拠だ。
わかっているくせにやるのは
1番悪ィ。

しかし俺にとってもまさかの事態だ。
だってあの、母さん大好き弥生ちゃんが
実はこんな事を言っていたなんて。

これじゃあ、
さっき睦の様子がおかしかったワケだ。
さぞショックだったろう。

俺はゆっくり立ち上がり
テーブルの前で
その格好のまま動かなくなっている弥生の
真向かいに移動した。

「あいつの作ったメシに文句があんなら
食ってくれなくて構わねぇ」

「…っ」

俺が発したひと言に
条件反射のようにびくついた弥生。
随分と怯えて下さる。

…やっぱ睦が甘やかすから
調子乗ってんじゃねぇのか…?
さっきもきっと、
あの調子で何かを言われたんだろう。

「弥生が食わねぇのなら
睦の負担も減るからなぁ。
あいつは栄養が偏らねぇように考えてる。
ソレは、ほうれん草が苦手なお前の為に
わざわざ海苔で和えてある。
ワザワザなぁ、弥生のタメだけにだ。
ほんのひと手間だが、面倒だろうなぁ…
ありがてぇと思わなけりゃならねぇとこだよな」

弥生はきっちり正座をして
全身…表情まで強ばらせながら
下を向いている。

「人の話を聞く時ゃ、
どうしろって睦に教わった!」

「はいっ」

ピッと背筋を伸ばして
真っ直ぐに俺の目を見た。

「睦はなぁ、間違っても
嫌がらせでメシ作るような女じゃねぇんだよ」

「はい!」

「弥生の事も睦月の事も
おんなじようにおんなじだけ愛してる」

「……」

そう告げた瞬間、弥生は不満そうに目を伏せた。

「文句があるなら言ってみろ」

「……だって…」

弥生は言いにくそうに唇を尖らせる。
何か言い分があるようだ。

「私がお願いした着物のシミ抜きより先に
睦月の羽織を直したもん…」


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