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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第30章 秋の思い出





「…そういうの…?」

「お前が俺に何でも話さねぇのを淋しいと思う。
柄にもねぇけどな。
関係の浅いうちなら、まだ話はわかる。
だがもうそんな事ねぇだろ?
そろそろ俺をちゃんと見てくれても
いいんじゃねぇか?」

あぁ、…そう、だよね。

「…いつまでも、こんなんじゃだめだよね。
これでもね、甘えてるつもりなんだよ?」

「お前のどこらへんが甘えてんの?」

「えぇ?どこって言われると…難しいけど。
あッ!朝起きないとか!」

「…弱っ」

「えっ⁉︎うーんと…うぅんと…
昼寝させてもらってるし!」

強く抱きついたまま
意気込んで言ったと言うのに
天元の反応はイマイチだ。

「ソレダケ、だろ?」

「‼︎」

なんですって⁉︎

「それだけっていう事はないじゃない?」

随分がんばっていると思うんだけど。

「それだけじゃねぇか。足りねぇんだよ全っ然」

「それは…そうでしょうけど」

わかってる。
この人の甘えてほしい度合いと
私の甘えてる度合いがつり合っていない事くらい。

もっともっとって、思ってる事くらい。

だから私、がんばって甘えてるつもりだけど。
私の人生史上最高に甘えてるんだけど…。

追いつくわけがない。
だって天元は、際限がないから。

「今も、甘えてると思うな…」

「……えー」

「何で?そもそも甘えるって何?」

「例えば…」

「うんうん」

私は天元の答え合わせに耳を傾ける。

「こう、見つめ合うだろ?」

「うん。見つめ合う…」

お互いの目が合った所で、

「そのままで、」

「このまま…」

「『天元、』」

「天元…」

彼の言った事をよく聞いて反復する。

「『口づけして?』」

「口づけし、て⁇」

「はいはーい喜んで」

はぁ⁉︎

「信じられない!人が真面目に聞いてたら!」

「はぁ?こっちだって大真面目だわ」

「どこがよ!なんてこと言わせるの!」

「してほしくねぇのかよ?」

「し…っ」

強い目で見つめられて、私は口をつぐんだ。

…してほしくない、わけじゃない。
そんなの当たり前。

「そんな事を私が言うのが、
ほんとに天元の思う『甘える』って事なの?」

「そうだな。お前に可愛く甘えられたら
そりゃ嬉しいからな」



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