第28章 恋模様
俺だって毎日忙しい。
疲れがないわけではないのだ。
こうやって睦と休めるなら、
それはそれで幸せかも…
キスは起きてる時にしよ。
可愛い反応が、楽しみだから…
ぱちっと目を開けた時、
辺りがあまりにも真っ暗で
まだ暗室の中だっけ?と勘違いした。
その割には身体が横になっている気がして
あれこれは、ベッドの中かもと思い直す。
ただ、
右手がとってもあったかくて、
すごく幸せな感じがする。
……
私はにぎにぎしてから、
ソレが何なのか気がついてしまった。
ヒトの手だ。
誰かいるのだ。
あれ、ここは私のベッドの中っぽいけど!
てことは私の部屋のはず。
じゃ私の部屋の中に、誰かがいる…
「…ひ…!」
声にならない悲鳴をあげて
私は枕元に置いてある、
ライトのリモコンに手を伸ばした。
が、私が動いた事で相手も起きた。
「…ん、睦?」
「…」
あれ、知ってる声…
同時にぱっと電気がついて
視界が広がる…と、
ベッドに頬を預けて私の手を握る宇髄さんがいた。
「なんで⁉︎」
「何でって事あるか。話してんのにいきなり寝るし
俺がいなかったらお前倒れて頭打ってたぞ」
……
「話し、ましたね…」
覚えてるや。
暗室にインターホンが聞こえて
ドアを開けたら宇髄さんがいたんだ。
何を話したんだっけ…
「曖昧か。お前まさか休んでた間
寝てねぇわけじゃねぇんだろうな?」
「…休んでましたかね…」
夢中になると時間がわからなくなるし
飽きもせず延々と同じことをし続けられる私は…
宇髄さんの話によると
3日間、大学をサボったらしい。
しかも何も食べず、寝もせずに。
「……お前何してた」
怪訝そうに目を細めた宇髄さんが
私を問いただす…
「…写真」
「お前病気だろ。誰かに管理されねぇと
まともな生活も出来ねぇのかよ!」
「ごめんなさいっ」
勢いで謝ってしまってから、
ふと気がつく。
何で宇髄さんに謝らなきゃならないんだ!
「別に…いいじゃないですか」
思い切り眉間にシワを寄せていたのだろう。
宇髄さんはそこを人差し指でほぐしながら
「いいワケねぇだろ。
ちゃんとしてもらわねぇと俺が困る」