第27章 愛のカタチ
つい笑ってしまう。
「天元のそばにいるだけの価値が
自分にあるかなぁとは思うよ。
もっと他に、いい人がいるんじゃ、ないかって…」
話しているうちに、
天元の目が私を睨んだ。
…そうね、
天元はそんなこと、思わないよね。
「俺にはお前だけだって」
「わかってるけど、だよ。
天元がそう思ってくれてるのはわかってる。
もう、私の問題だよ。
ヘタに考えちゃうからね私は」
「じゃあ、」
妖しく私に顔を寄せ
「なんも考えないでもらおうかな」
ネコみたいに首筋に擦り寄って来る。
……
「…なにする、つもり?」
「お前が思ってること」
「こんなとこで…」
「したことない?」
器用に、私の足を持ち上げて、
向かい合わせに座らせる。
跨がる形になって、
私は天元の首元に抱きついた。
「…ある」
「誰と!」
「知らない」
っていうか覚えてない。
小さなため息をついた天元は
「睦、」
静かに私を呼んだ。
「…ん」
「俺がお前のモンだって証明していいか?」
「……天元が?」
返事もしていないのに、
勝手に私のスキニーを脱がしにかかる。
「私の……。ちょっと、」
いいか?なんて言って、
勝手に進めてるし。
「好きなんだよ。こうすれば…」
天元はセーターの中に手を入れて
「言葉より、伝わるモンもあるだろ?」
器用にブラのホックを外した。
緩まった胸元にホッと…している場合じゃない。
「高速で30分…待てないの?」
「全然待てねぇ。今すぐ欲しい、
すぐ可愛い睦のモンになりてぇ」
言いながら、私のセーターの裾を捲り上げる。
「…でも…」
「睦は俺を自分のモノにしたくねぇの…?」
「………したい」
さんざん天元を奪われた。
どこの誰かもわからない女の人たちに。
天元は、私のなのに。
「じゃあ、おいで睦」
背中と頭の後ろに手を回して、
優しく抱き寄せてくれた。
それが嬉しくて、私からもぎゅっとしがみつく。
「…天元」
「んー?」
「天元…」
「どした」
何度も呼ばれて天元は少し笑った。
「…淋しかった」