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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第27章 愛のカタチ





どうするのかな…。

そう思って、私は人混みの中の天元を見つめた。
両手で頬杖をつき、
何とは無しにぼーっと見つめる。

…すると、目に入るのは
やっぱりあの光景だ。

天元の後ろに並んでいた
2人連れのお姉さんたち。
口元に手を添えて、頬を染め話しかけている。

胸元を強調した深めのVネックに
ロングスカートを合わせたお姉さんと
膝丈のラップワンピにハイヒールのお姉さん。
2人とも髪をきれいにアップして
めっちゃ気合い入ってる。
そんな、大人の色香漂う2人組が、
私の天元に何の用でしょう…?

でも…よく見たら、
お似合いだとは思わない?
美形の天元には、大人な女性が似合う。

私は何となく、自分の全身を見下ろした。
オーバーサイズのスモークピンクのニットと
黒いスキニー……
髪は下ろしたまま。
コレはデートコーデじゃない?
気ィ抜き過ぎ?
でも天元がこれがいいって言ったんだもん。
だけど、
すっごく見劣りする…

あんなオシャレして来てる人がいるのに、
私はどうよ。
恋人と来てるってのに、
こんな緩いカッコしてさ。

私はもう一度、そちらに目を向けた。
仕舞いにはスマホをチラつかせ
食い下がっている。
しきりに手を振り首を振る天元にはお構いなし。

すごいよね。
あれだけの事をする自信があるんだろうな…
…おっぱいは、私の方が大きいけど。

…だいたい天元は、大きいのが好きなのか?
聞いたことないな。
それで勝ったことにはならないのかしら。
ちぇ。

なにか勝ちたい。
あの2人よりも、私が勝るものって何だろう…?


結局、あそこに並んで、
食べるものを受け取って、ここに戻るまでの間に
天元は5回もナンパされた。
頬杖をついたまま、
その様子をただ見守っていた私は
天元に声をかけた女の人と自分を
いちいち比べ、撃沈していた。

顔の作り、シナを作る仕草、
オトナな服装、ゆくは髪のツヤまで、
何1つ、勝てる気がしない。

今まで私が、
男性を相手にするシゴトをしていた上で
培って来たすべては、
天元には使えない。
私が愛したこの人にこそ使いたいのに、
その技は私がムリなのだ。

アレらはすべて、
シゴト用でしかなかったという事。
すなわち、…ムダだ。


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