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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第27章 愛のカタチ




「うん!連れてって!」

即答した私に驚いて、

「…何が違うワケ?」

大袈裟に首をひねってみせる。

「言葉から推測出来る誘い手の気持ち」

「はい?」

「お前が行きたがってたから俺は行きたくないけど
しょうがなく連れてってやる、っていうのと、
お前が行きたがってたから俺も行きたくなったし
一緒に行こう、っていうのなら、
間違いなく後の方がいいもん」

「……」

私の返事を聞いて
思い切り顔をしかめた天元。

「…ねー。めんどくさいね、私って。
でも、天元が嫌なのに無理矢理なんてやなんだよ。
一緒がいいの。気持ちも一緒がいい。
私が行きたくても、天元が嫌なら行きたくない」

「俺は、お前がしたいと思う事で
したくねぇなんて事ねぇもん。
お前がしたきゃ自動的にそうしたくなる」

「それは…」

「常に気持ちは一緒ってコト」

そうなんだ。
それは初めて知った。
じゃあもうちょっと…
言葉遣いが優しいと嬉しいのにな。

「あのね…」

「んー?」

「海の近くに、文化会館があるでしょう?」

レンガ造りで素敵なの。
入った事ないけど。

「あぁ」

「透明標本展をやってるの」

「へぇ」

……

「今、スマホでそれを見てたの」

「ふぅん」

……………

「え?行きてぇの?」

「へへ…うん、行きたいな」

私は手を伸ばして
天元の背中に隠れているスマホを手にした。
画面を開くと
さっき見ていたサイトが表示される。

天元の膝の間に体を滑り込ませ
そこに肘をかけて画面を見せた。

「魚とか、カニとか…カメもカエルもいるんだよ」

「きれいな色だな」

「そうなの!すっごくきれいなの。絶対見たい!」

「水族館の手前だろ?ならついでに寄ればいい」

「いいの?」

1日に2箇所も連れてってもらえるなんて
贅沢な話だ!
なんて幸せ…

「ありがとう!楽しみだな」

私は天元のお腹にぎゅうっと抱きついた。

「そいつはよかった」

「土曜日?」

「あぁいいよ」

「何時?」

「んー…8時」

「わかった!土曜の8時出発ね」



そう確認した。はずなのに。
そして今、
土曜日、8時20分…
どこにいるかって、未だベッドの中。
そして互いに裸…



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