第26章 24.
……私が知らなかっただけだろうか?
見えない世界では私は良く微笑み、果敢に立ち向かうヒーローとして取り扱われていた。
それは私が世間に認められたという事。
そして私へのイメージ。理想。他の者達の望み。
『非公式ファンサイトって通報して閉鎖させる事って出来るのかな…』
「例え閉鎖しても第2の非公式ファンサイトが出来ると思うよ?」
キングの言葉に私は力が抜けてしまった。
「まあなんだ……ハルカもこれくらいの顔になれるよう、努力をしろ!」
にっこりと楽しそう?幸せそう?に笑うイラストを指し、サイタマはパソコンを閉じた。
やかんがピーっと鳴り、私はポットを持ってキッチンへと向かう。
『さて、そんなに上手く、笑えるかどうか』
やかんを持ち、ポットに注ぐ。
お前なぁ、と呆れるようなサイタマの声。ポットの中にどんどん流れていく沸かし立てのお湯。
蒸気で目の前が少し見えにくい。
「さっきお前フブキに言ったろ?出来るか、じゃない。出来るだ。やりもしないのに無理とか言うな、出来るって」
『……まあ、試してはみ、
あちっ、』