第25章 23.
「知り合いも何もフブキとは今日始めて会ったよ。で、ハルカは…ゾンビマンに世話頼まれてここで一緒に暮らしてんだけど」
いつかのサイタマのように、友人が「ファッ!?」と叫んだ。
立ち上がって湯飲みを持ってくる間も視線で追われているのが分かる。
『……あの、お茶出しま、』
「一緒にてっ…サイタマ氏と…ジェノス君?ハルカ氏と一緒に暮らしてんの!?凄くない?羨ましがられるよ?実際羨ましいし!」
「はぁ?おい、キングどういう事だよ……別に寝る時だけハルカは隣の別室に行って貰ってるくらいだけど?」
『……お茶、』
私の話はまたも遮られる。
そしてサイタマの話から察するにこの男はキングと呼ばれているようだ。
ん?という事は私が風来坊している間によく耳に挟んだ名前…、キングとはこの男の事だったのか。確かに見た目はキングという名に相応しい。
お茶を出すかなんてとか聞かずとも、出さないと…。
急須に茶葉を追加し、お湯で蒸らす。
その時に気が付いたけれどもジェノスはパソコンを弄り、フブキはこの部屋の様子をぼうっと見ていた。今、盛り上がっているのはサイタマとキングか。
ポットのお湯が無くなりそう。私はやかんを掛けにキッチンに向かった。