第23章 21.
「派閥?新人狩り?ランキングの保持?関係ねーじゃねぇか。ヒーローなめんじゃねーぞこの野郎!」
「黙れ!お前に私の築き上げてきた地位を渡してたまるか!」
おお、先ほどよりも熱い展開になってきたようだ。
フブキはてっきり私と同じように風を操るのかと思ったが、大きな石を二枚貝のようにしてサイタマを攻撃していた。風ではなく…超能力というやつか。
そんな力を前にしても、サイタマは随分と余裕そうだ。攻撃されても効いてないように見えるし……
2人の戦いを見ていると視界に新たに2人が乱入してきた。ジェノスとソニックだ。
一瞬ジェノスが構える動きを見せたその時、爆発音とともに砂煙が辺りを覆った。
「今度こそ仕留めたか?
……む、ネズミを追いかけているうちに先生の住まいの前まで戻ってきてしまったか。
サイタマ先生すいません。家の前で埃を立ててしまって」
『埃ってレベルではないだろ、これ……』
けほっ、と咽せて、止む終えなく風神の力で家の前の砂煙を人が居ない方向へ吐き出す
…つもりだったが、そこには咽せながら睨むソニックが居たので、すまんと言って確認済みの人の居ない方向に砂煙を飛ばした。
「お前これホコリなんてもんじゃねーだろ。いま一瞬ソニックが見えたんだけど2人で何をやってんだよ」
その一瞬見えたというソニックという変質者ならすぐそこに居るんですがね、と言わずに砂埃を払い終えて再び寄りかかって見物する事にした…かったのだけれど。
「お前、サイタマの知り合いだったのか?」
絡まれてしまった。全裸で街を暴れたという(※ジェノスにそう言われている)音速のソニック(笑)に。