第16章 14.
「……先生、提案があります」
俺も先生もハルカを覗き込むのを止め、机を挟んで座る形となった。
ハルカは静かに寝息を立てて眠っている。生体反応を見る限り、狸寝入りなどではなくぐっすりと眠っている波長だ。
「ハルカは隣の部屋に住むようですが、隣の部屋には家具はありません。それに…こいつは部屋で生きる術を知りません。なので…」
元々はサイタマ先生だけが住んでも狭い部屋ではある。そこへ俺が押し掛けてきた。更にハルカが入るとなると大変だろう。
隣のハルカの部屋は家具は無いが、全部掃除して布団でも置けば良い。それにその内増えていくであろう私物も置ける。眠る事以外はここで一緒に過ごせば良い(生活費の足しにでも、とゾンビマンが俺ほどではないが金を置いていったし)家具が揃う頃には自分で生活が出来るようになる。
「つまりは、眠る時以外は面倒見ましょう!」
そう説明すれば、先生は再び唸って「仕方ねぇな…(金受けとっちゃったし)」と首をぽりぽりかきながら許可をしてくれた。