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風雷暴見聞録

第15章 13.


ドン!ガタン、バタン。
大きな音を出してサイタマの部屋の隣の、私の部屋のドアがはずれて倒れた。
ドアが少し歪み外れてしまったが、付け直せば大丈夫だろう。部屋に踏み込み、もう一発…という時だった。

『…っくしゅっ!』

クシャミが出た。というか、私がベルトを外したせいか部屋中の埃が私に吸い寄せられる。たまったもんじゃない!
おいおい、無理するなよなー、とゾンビマンの声がする。埃のせいか、目を開けると痛い。痛みで涙も出る。

『言って良い事と悪い事があるんだ!というかあんた、きっちりはっきり見てるじゃないか、この変態全裸ゾンビバナナマンが!』

目元を拭いて、何とか視界が滲みながらも見える状態になった。
ゾンビマンが吹っ飛んでぶつかった壁際から、腹部を押さえて近付いてくる。腹部からジュウッと蒸気が出て焼き肉の匂いがした。

「見ちまったもんはしょうがねぇだろ、それに減るもんじゃねーしな。やつあたりはこれで終わりにしようぜ、さっきのは結構痛かったぞ、骨が何本が逝っちまったし。
俺はお前のサンドバックじゃねーっての」

宥めるように言うゾンビマン。
埃まみれと全裸をきっちり見られていた事により、私の気分はどん底だ。
サイタマの部屋の方に背中を押されて、手足の抑制ベルトを付け始める。サイタマとジェノスも一部始終を見ていたのだろうか。玄関に並んでいた。

「朝からやかましいぞ、先生に迷惑だ」
「随分バイオレンスは兄妹だな、は、はは…」
「はは、お転婆が過ぎる妹で困るぜ?」
『うるさい、誰が妹だ』
「グフゥ、鳩尾はやめろ!」

肘でゾンビマンの鳩尾をど突いておいた。2回殺す予定だったが、これで勘弁しておこう。
サイタマにとりあえずシャワーでも浴びてこい、と浴室に突っ込まれ、絶対にゾンビマンより上のランクに立ってやろうと私の中で目標を立てた。
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