第11章 9.
小さくなっていくゾンビマンを視線で見送り、再びパソコンの画面を見つめる。
A級か。強いのか。こいつどうやって戦うんだろうな。いや、今はそんな問題じゃない。
「なあ、ジェノス」
「はい、先生、何でしょう?」
同じようにパソコンの画面を見ていたジェノスが、画面から俺に視線を移した。
「この辺誰も住んでねーし、隣なんか構いもしなかったろ?」
そうですね、とジェノスは頷く。
時刻は5時前。
「いきなりだもんな。掃除とかしてねーんだけど汚いかな…」
「構わずそのまま住んで貰いましょう」
「いや、流石に可哀想だろ。女の子だぞ?しょうがないから出来ることだけはしとこうぜ」
「はい!先生!」
面倒みるもなにも、明日とかなら分かるよ?でも今からとか準備のしようが無いだろ。
とりあえず玄関のドアを閉め、これから来るであろうお隣さんを迎える準備をする事にした。