第8章 6.
敷き布団を先に2枚敷けば良かったんだろうが、狭い部屋のど真ん中に敷いてしまった為に俺の寝床を敷くと何処に敷こうがとんでもない事になる。窓辺は入ってはいけない空間だと察知している。おそらくは下着が干されている。
離れても数センチで隣に布団なんか敷いたら、朝一で殺される最悪な目覚めになるだろうな。
もぞり、と布団に潜り込んだハルカは俺を見て、僅かに口元を緩ませた。
『色々、ありがとな』
そう言って静かになったハルカを起こすわけもなく、仕方ないから敷き布団を掴んでずらそうと手を伸ばした所、無意識か本人の意思か。触れようとした敷き布団に拳が飛んできた。おっかねぇ。
朝一の死を覚悟しつつ隣に自分の寝床を設置して、隣を意識しないようにしながら俺も寝る事にした。