第8章 6.
苦戦しながら、時間を掛けて食事を終えた。残念ながらハルカは自力で食べてしまった(鮎の塩焼きは後半、やけくそで手で食べていた)
夕食を終えた後も勉強を教えているが思った以上に理解力は高く、模擬テストをさせれば合格点を超えていた。どうやらもともと頭はは良かったのか、それともジーナス博士のスパルタが効いたのか…あとは実際体力テストを図ではなく実際にやってみれば分かるが、流石に反復横飛びはやらせてはいけないと空気を読んだ。現場で見て覚えてくれ。
河原で素肌を見てしまったけど、次見たら問答無用で殺される。危険なラッキースケベってやつだ。
部屋を出て、暫くしてから服を抱えてやってくる。上着はハンガーに掛けて干し、細々とした何かは俺の居る位置からは見えない場所に干したみたいだ。
『ゾンビマン、私は今晩早めに寝たい。いいか?』
ヒーローの強さのランク、災害レベル等補足で説明していると眠そうに小声で言った。時計を確認すると11時を過ぎた所だった。
紙面から視線を上げれば、眠そうに瞬きをするハルカ。少しだけあの頃を、あの瞬間を思い出す。
「そうか、じゃあ布団敷いとく。ハルカ、お前は寝る支度でもしてろ」
『んー…』
どきり。今日だけで何度目かの、過去の光景を思い出す。あの研究結果を、電子機器を破壊して行くときの眠そうだったこいつを。
本人は気の抜けるような返事をして、洗面所に向かったのを見て机を壁に寄せた。スペースの空いた空間に押し入れから引っ張り出した布団を敷いて、掛け布団を被せる。まず1人分が出来た。
それを見計らって、ボスッ!と倒れ込んでくるハルカ。
『サンキュー。それじゃ先に眠らせて貰うよ』
「あ、おい!まだ終わってねぇっての…」