第100章 98.(過去のゾンさんの、元カノとの事情/裏)
何を言っているんだ、このハルカって女は。
あっという間にコートから俺の財布を弄り、それで勘定をして財布を戻す。酒で思考の鈍る中、ハルカは俺の手首を握ってバーの外に出た。
「お、おい、別にあいつを忘れたい訳じゃない!俺の知るハルカは確かに女ではあるが、年下の守ってやらなければいけないやつで…」
「顔色悪くなるまで飲むなんて、余程の事よ?大丈夫、私"そういう"職業してるから慣れてるの。あなたみたいな良い男は大歓迎よ」
「おい…頼むから話を聞いてくれ…」
急ぎ足で連れ込まれるのはファッションホテル。いや、はっきりとラブホテルといえば良いか。
あれやこれやと入店し、共にシャワーを浴びベッドまで背を押される。手際よく身体も股もケツさえも洗われてしまった。
「そもそも、俺は女を抱いたことすらねぇよ…」
「あら、意外ね?」
シャワーでは全裸は仕方なくも、ベッドでは俺の砦は腰に巻いたタオルのみだった。
ハルカの方はバスタオル。巻いた状態でも良い体つきなのが分かり、経験がなくとも風呂の時にちらちらと見えた裸体も思い出して腰に巻いたタオルが持ち上がってきている。
血行が悪いこともあり、朝勃ちはあまりしない方だ。時々は抜く程度。それで付き合った事もない、初めて会った女と実践しろとは酷なものだ。
「じゃあ、女を初めて知るってわけ、か」
ポサ、という視界に白いものが降る。その方向を見ればタオルで隠されていた、曲線で現された人体というべきか。間近で見る女体だ。
俺の中の眠っていた男という性が飛び起きる。タオルは鋭利に持ち上がり、カチカチになっていやがる。
「あら、すっごい反応…」
「いや、いやいや、おかしいだろ。いきなりヤるとか…」
ハルカは俺の手を掴み、自身の胸に触れさせる。
文句など言っていた俺の口はもう文句など言えない。柔らかい、なんだこれは。男とは圧倒的に構造が違う。いつまでも揉んでいたい。
ひたすらに大きな乳を揉んでいると、どこからか聞いたこともない音がにちゃにちゃと聞こえる。
ハルカは自分の手で、自分の股ぐらを擦り、その手を俺に見せつけるように差し出す。中指と薬指の間に透明な液が付き、指を離すと糸のようにすーっと伸びる。
「じゃあ、ゴムしようか?」