第99章 97.(童帝とパフェ/ほのぼの)
「で、何を話してたんだ?」
余裕そうに、ハルカさんの肩を抱き、揺する。ハルカさんは僕と目があった瞬間首を横へと振る。言わないでって事を伝えているんだろうな。
そりゃあ、あんな可愛らしい表情であんな事を言う人だ。あまりいじめちゃいけないし、尊敬するゾンビマンさんがこんな風にちょっかいを出す人だ、可哀想だ。
「人生相談、ですよ?ねー?」
『…ねー?』
首を縦に振ってちょっと微笑む。そんな恋人を見てゾンビマンは少し不思議そうな表情を浮かべていた。
「……子供が好きだから、俺との子供が欲しいって相談か?…痛、」
ハルカさんはきっと机の下で攻撃をしたんだろうな、足元からのパチパチ音が僕にも聞こえたけれど。
ガムシロップたっぷりできっと甘いアイスコーヒーを飲み干すと、ゾンビマンは席から立ち上がった。
「そろそろ帰る時間だろ、送ってってやる、お嬢様」
『あ、ちょっと伝票…!』
ゾンビマンさんは僕に挨拶するように、背中を向けて片手を上げる。その手には僕とハルカさんの伝票。
『じゃあ、また今度一緒におやつでも食べよう、童帝くん』
「うん、いつでも連絡してね、空いてたら付き合うから!」
静かな雰囲気の喫茶店。少し賑やかな嵐が去っていく静けさ。
「(いい夫婦になりそうだけど)」
パフェに乗った、少し溶けたアイスを掬って口に入れるといつもよりも凄く甘く感じた。