第98章 96.(風雷暴の欲求不満の話 激裏)
「ここまでとはな。たくさん我慢させちまったな、可哀想に。細かいことは省く、とっとと一発楽になろうや」
それは私にとって一番楽になれる方法を一発で感づいてしまった。
焦らさず、中断せず。片手で私の太ももを上げ、充てがったモノがゆっくりと確実に入り込んでいく。時々もう片手で私の下半身で一番弱い場所をこすってより一層入りやすく、気持ちよくさせていく。指先でコリコリと刺激される度に腰が跳ねた。
『あ、ああ…!なか、ナカに入ってくる…っ』
数日ぶりに歓喜した。きっと今の私はヒーローでもなく、ただの快楽によがる女の顔をしているのだろう。
入ってきているものは質量のある熱のある異物でありながら欠けたピースだった。ただこれだけで私の中の心の一部が満たされた。
このまま、動いてただ気持ちよくなっていくのも良いけれど…。
『ねぇ、66号。一回目はあんたが主導でして?その次、私が主導でしたいの。駄目?』
悲願するように、ゾンビマンに言うと少し驚いたような顔をしてゴクリと飲み込む音がする。
路地裏で捨てられた雑誌、開いたままのページに女が男に跨る写真がいくつもあった。昔、関係ないなんて思って通り過ぎたけれどそれを試したくなってしまった。
突っ込んでいた状態からゆっくりと引き抜き、ゾンビマンはいいぜ?と了解した。
「そいつは楽しみだ」
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急ぐような激しさで交わって、たっぷりと子種を出し終わったゴムを外し、新しい避妊具へと変える。
私の体も一回だけじゃ満足が出来ないようだ。さっきまで入っていた肉棒を間近に見て欲情した。尽きること無く、迎える準備と疼き始める私の下半身。
「で、俺をどうしたいのかね?」
一度激しく交わって少し余裕が出てきたようだ。
ベッドの上であぐらをかくゾンビマンの肩を力いっぱい押す。そう簡単には倒せない。
『寝て、そしたら私が跨るから』