第93章 94.(激裏 89.の浴衣脱ぐ辺り)
折角着た浴衣を剥かれていく。
畳の上で下着さえも剥がされ、両手で自分の身を抱くように胸を隠し、片足で下半身が見えないようにする中、ゾンビマンは自身もさくさくと脱ぎだす。
バキバキに充血した男性器は反り返り、服を壁際に足で払うゾンビマン。動く度にブルンと左右に揺れた。
「前回よりもここ、大きい部屋だろ?」
『うん、そうだけど…』
辺りを見渡す。旅館に入って建物内を結構移動した部屋だった。前回よりも広さの規模と、机のお饅頭に更にお菓子がグレードアップして付いている。
急に一体何を言い出すんだ、と首をかしげゾンビマンを見る。彼はしゃがみ込み、私の背と膝下に手を突っ込んだ。
そして、浮遊感。
『やっぱりここ畳だもんね』
体を持ち上げるゾンビマン。互いに裸だ。私の腰に一歩移動する度、臨戦態勢中の男性器が時々触れた。
「そういう意味じゃねぇんだ、わざわざこの部屋にしたのは、あ、そこのドア開けてくれ」
奥の方にドア。窓があり、その時点で理解した。
『これ、部屋なのにお風呂付いてるの!?』
「ああ、そうだ。外だからな、どんなに気持ちよくても声は控えろよ?」
わざわざ耳元に低く、優しく呟く。それに肩をびくりと反応させると耳元で小さく笑った。
かちゃ、と軽めなドアの開閉音。部屋から出て肌寒さと湯けむりの暖かさが交互に風に流されて当たる。
温泉独特の香り。チョロチョロとかけ流しの湯が、誰も入っていない浴槽をひたすらに満たしていく光景。
『わぁ…部屋に温泉あるのって、初めて…』
「ああ、そうだな」
感激する私をよそに、きっと待ちきれなかったんだろう。ゾンビマンは私を抱き上げたまま、湯船にザブザブと一歩ずつ入り、そのまま肩まで浸かる。強制的に私も肩まで浸かった。
「待ちきれねぇ」
湯の中の浮遊感。
湯船まで連れてきた私を、湯船で抱きしめる。力強い抱擁に、私もゾンビマンの背に手を回した。お腹の辺りに当たるから胸より上ではあったけど。
温かな温泉、癒やしの温泉なのにドキドキと心臓は忙しく動く。こうなれる事が恥ずかしくも嬉しかった。
緩められる腕。
密着した体が離れても湯船の中で温かい。私とゾンビマンは見つめ合った。