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風雷暴見聞録

第86章 91.(激裏 83~84の出来事)


もぞもぞと私から少し離れ、私は抱きしめていた手を離した。掛け布団をベッドからはぎ取られ、足下へと退かされる。
そしてゾンビマンは背に腕をまわし、「枕に頭でも付けてろ」と言ってされるがままに私は横たわった。視界には見慣れた天井に、今私に覆い被さったゾンビマンの上半身。
汗でねっとりとした掌で両膝を掴んで左右に開き、裏太ももを手の平が滑っていく。そのまま彼は動きを停止した。

少し伏せた瞼。視線が組み敷かれた私の身体に刻まれているのかと思うと、ドキドキと鼓動が速くなって顔面が熱くなってくる。
たまらず恥ずかしくなった私は両手で自分の顔を隠すも、両手首を掴まれて剥がされてしまった。
初めてではない行為。痛いだけの行為。けれども、好きな人とのこういった事に私の体は私自身も知らない反応が起こる。


『馬鹿、そんなに見ないでっ!』
「仕方ねぇだろ、昼間だし電気消すだとかそういうの意味ねぇし…それに俺はハルカをじっくり見たい」

掴んだ両手首はそのまま私の顔の両脇に押し付けられて抵抗のしようが無い。抵抗が出来ないのに、恥ずかしいのに。私の心の奥では期待をしてしまっている。
念の為か、「電気も風も出すなよ」と言って胸元に埋められる顔。呼吸する度に吐息が肌を温かく撫でていく。熱い呼吸を素肌で感じる。頬や鼻が私の肌を触れて、首や鎖骨、胸、腹へと降りていく。

すりすりと私の肌を楽しむと、中央部から逸れていく。同時に拘束された片手を解放されたけれど、拒絶する理由は今の私には無い。
体が求めていた。けれども求める表現を私は知らない。ただ熱に浮かされ、真剣な表情のゾンビマンに見惚れるばかり。

熱く汗ばんだ大きな手が片方の胸を鷲掴みにした。強くじゃない、けれどやわやわと質感を確かめるように揉まれる。
反対側の胸は鼻先や頬が触れている。触れる肌の感覚が嫌じゃない。

「やわらけぇな…、」

揉んでいた手が頂に触れた。偶然じゃなくて、指先で弄ぶようにくにくにと摘んだり捏ねたりと。
先ほどまでの柔らかな刺激とは違う急な刺激に、私の身体がびくりと反応した。

「ん?なんだハルカ。気持ちよかったのか?」
『ん、そこ、きもちい…かも』

顔を上げて、ゾンビマンはクスリと笑う。
空いた片手が頭を優しく数回撫で、私は目を細めた。
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