第85章 83.
部屋に一歩踏み込んだサイタマはギョッとした顔をして後退りをする。
何か袋を持ってきたらしく、その場に置いて小さく「リア充爆ぜろ」と呟いていた。
『さ、サイタマ!違う、違うんだって!何もしてないからっ!セッ…変な行為してないからぁぁー!』
煮え立つように全身の血が熱くなる。終わった…色々と、終わった…!
ちょっと涙が出た私の目に、再びサイタマが遠くで顔を見せる。
『サイタマ!本当だから!』
「あーうんうん。とりあえず俺とジェノスで買い物に行く。1時間ちょい部屋空けるから好きなだけパコパコワッショイするといいぞ」
バタム。ドアが閉められた絶望の音。私の伸ばした右手がが虚しく布団へと降りる。
本当に、終わった…
そんな私の背をぺちん、と叩く男は凄く楽しそうにニヒルな笑みを浮かべていた。
「ま、とりあえずそういう事らしいからヤろうぜ?帰ってくる時ゴム(避妊具)買ってきたしな!」
……。
サイドボードの上に置いて置いた長方形の箱。以前言っていたゴムってのはこういう…ああ、納得した。
…じゃなくて!何故全裸で私を抱えた男が、服も買わずにそんなものだけを買って帰る?
その後、固まった私は拳に電気を纏わせ、『ンなモン買わずに服を買えってんだ変態がっ!』と怒りを込めて殴ったのは言うまでもない。