第85章 83.
「ていうか何公然で変態行為してんのよ、アンタ達!」
……え?私も含まれてるの?
竜巻を消したタツマキは、私達の方に近付いて足をコンクリートの床に着ける。
そういえば、ゼンr…ゾンビマン今全裸だったな…。そう思われても仕方ない状況だ。指先をちょっと動かすくらいにしか回復出来ていない私を抱きしめているし…
まだ自力で立ち上がる事も出来なさそうだ。
『服、着なよ…』
「だから無いって言ってんだろ」
…情けない。
タツマキが居たという事は、先ほど落ちてる時に助けてくれたのは彼女だろうな。
結局、1つの事を為し遂げるヒーローにはなれなかったのか…私は。
「野外で変態行為とかケダモノよ、しかも無理に襲ってるんじゃないの、変態ゾンビ!」
「仕方ねぇだろ、タツマキ。こいつ随分力使ったみてーでよ、」
「それよりもこっちの方虫の息じゃない!情報は聞き出せたの!?」
雨粒がぐっしょりと濡らす。水分を吸って服は重いし、体も冷える。
寒い。おまけに眠い。唯一、ゾンビマンに触れた部分から温かさを感じたけれど、眠くて仕方がない。
眠気と葛藤しながらも、結局私は睡魔に負けてしまった。
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暖かい。
落ち着く香り。嗅ぎ慣れた香りがする。そして体を包む心地よい肌触り。
ふと目が覚めるとそこは自室。ゾンビマンが運んでくれたんだろうか?
寝返りを打つと違和感があった。
隣に違う体温。
「よお、お目覚めかい?眠り姫」
『…なんであんたがここ、に…?』
待て待て待て!
隣にゾンビマンが居るのは分かった。けれど色々突っ込みどころが満載でまず何処から…ああ、もう!
えっと、何故隣のゾンビマンが全裸で私の布団に潜り込んでいるのか?
そして何故私も全裸なのか?まさか…まさか力無くぐったりとした私を脱がせ、抵抗が出来ないだろうとそのままこの変態は自室に運び込むとベッドに私を入れ、自身も裸だから都合が良いとしっぽりと性行為に及んで今に至……、
ゾンビマンの方を見たまま固まる私を見て、ニヤリと笑う男はそっと布団の上から私の腹を擦る。
「たっぷり撒いた種だ、腹に宿るのは男の子か女の子か、今から楽しみだな?」
『…は、は?』
「……」