第81章 79.
『天空王…?ゲイルってやつ?コレが?はぁ…、』
貴様…!と怒りに震える天空族の背後にまた一つ翼の生えた天空族が現れた。
数が増えたか…ゾンビマンの所に戻るに時間が掛かってしまいそうだ。握る柄に更に電気を流し込む。
どういう原理なのかはじっくり私の資料をよく読めば良いんだろうけど、この力は無限じゃなくて使い続ければ疲れてくる。体力を使うもの…らしい。
「天空王の仇は俺達が取らせてもらおうかねぇ?」
「兄貴、俺も混ざっていいかな?」
2体を前にする私にとって最悪な事態だ。更にもう一匹増えた。
携帯で今、応援を呼ぶべきだろうか?3対1の後に風神も居るし人手が有った方が良い。
この状態でとっておきの技を考えてはいるけれど、そう何回も出せるものじゃない。体力の配分というものだ。だから風神用にとっておきたい。けれども…分が悪すぎた。
この状況そのものの如く、風は向かい風。更にもう一体やってきた。そうか、この4体はもしかして四天王って言われている奴らかな?
向かい風はやがて追い風となる。
まさにこの状況の用に。目の前の敵の視線が私ではなく、背後から聞こえる者達へと移されていた。
「ビンゴだね。どうりで鳥臭いわけだ」
振り返れば、そこには──
『…番犬マンに童帝、バングさん…?』
戦況が大きく変化したようだ。