第75章 73.
「無理すんなよ。お前、結構無理するからな…ヤバイ!って思ったらジェノスにでも連絡してくれ」
俺、携帯使えないし。
そうサイタマが言うけど、私の携帯は協会から支給されたものなんだけれどなぁ。無くしたとか、勘違いしながら支払いに余裕がないからと使わないようにしてるのかな…。
『ん、自分に無理だと感じたら助けは呼ぶ。
飲み終わったら持ってくよ』
最後にサイタマが湯飲みを大きく傾け空になった様なので、3人分の湯飲みをキッチンへと持っていった。
洗い物を済ませて、銃の方のメンテナンスを久しぶりにしながら、テレビを見る。
テレビにはなんか見た事のあるヒーローが怪人を体術で倒していた。
えっと…なんだっけ。ヒーロー協会の試験で合格した帰りに襲ってきた……ああ、テロップが出た。スネックだった。
掃除の終わった部品を組み立て、仕舞う。脇差も鞘から一度抜いて特に異常がないようだ。
『門限までには帰るから』
「おお、気ぃつけて行けよー」
「念の為、屋根や屋上は今は登るなよ」
はーい、と返事を背中でして私は玄関から外へと飛び出した。
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外に出て、怪人の位置情報を風から取り込む。
いつもなら屋根や屋上からやっていたけれど、今は仕方ない。明日、ゾンビマンと一緒に行動する時にならしよう。