• テキストサイズ

風雷暴見聞録

第67章 65.


立派な刀を持ったこの侍は、私から見て右側の席を見る。今まで静かだった爺さんが軽く手を上げた。

「アトミック侍、ワシのような年寄りにゃ徒歩で来れるくらい余裕じゃよ」

靴というかスリッパに近い足音。軽い音を立ててアトミック侍は爺さんの隣に座った。

私は新たに入ってきた人物を調べようと携帯を取り出した。取り出したは良いけれど驚いて椅子の下に落とした。すぐ拾ったけど。
私の馬鹿!今朝やった事なのに忘れていたのはなんという事!携帯の待ち受けが無防備に寝ているゾンビマンの寝顔だった事に机に突っ伏した。ちくしょう…多分、今の行動他のヒーローに見られていたらこいつヤベェと哀れむ視線を貰うに違いない…周りを確認したくない。

1人太腿の上、携帯を裏返して葛藤し、平常心になろうとしていたらすぐ隣がらグヘヘという下卑た笑い声が聞こえてきた。嫌な予感がする。

「おいおい、お前の待ち受けあいつの寝顔かよ、カッー、お熱いねー!お揃いで寝顔待ち受けとかwww」
『はっ!?別にそんなつもりじゃなくて嫌がらせで写真撮っただけだ、しぃ…?
え、待って。サイタマ、今お揃いって言った?』
「んあ?そうだけど?携帯開いた時にあいつの待ち受けお前の寝顔だったぞ?」

お前知らなかったのか?とサイタマが不思議そうに言うけれど覚えがない。
お揃い?いつ?寝顔が見られたのは…病院の時くらいか。あ、旅館の時もそうだよね。ゾンビマンも寝顔撮ってたのか。
同じ様な事をしている、という事になんだか恥ずかしくなって机に突っ伏したい。けどさっき突っ伏して分かったのがこの机が眩しいという事だ。机がもう次世代だ、コレ。
携帯をもう一度操作し、ブラウザを開く。

『よし、あいつが来たら携帯を物理的に、強制折りたたみ携帯してあげよう』
「容赦ねぇな…。協会から支給されてるやつだからすぐ復元されるんじゃねーの?しかもお前の携帯が返り討ちされねーか?」
『そしたら電気を執拗に流し込んでデータぶっとばす』
「うわー…」
/ 318ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp