• テキストサイズ

風雷暴見聞録

第67章 65.


車で行ったんだし私より先に着いてるだろ、と先に入ったは良いけれど。
朝8時過ぎという時間に呼びかけたもんだからだろうか?人の集まりが悪い。ジェノスとサイタマは先についてなんかちゃっかりお茶貰ってるし(他のヒーローは貰ってないみたいだ…)
とりあえずどこに座るべきか、と空席の多い席を部屋に入ってすぐ眺めた。

「ちょっとアンタ邪魔よ、退きなさい!」
『ん?あ、ああ…すみません…?』

斜め下からの声に振り返る。ちっちゃい子だなー…童帝も子供でありながらヒーローをしてるし、これくらいの女の子が居てもおかしくはないけど。
脇に逸れて少し考える。緑色の髪がくるんくるんな少女はこちらをしきりに見上げている事に気が付かずに。

「(確かフブキのお友達だったかしら?)」
『ん、(サイタマやジェノスが居る端の方にするかな…)』

部屋に居るヒーロー達は初めて見る人が多いだろう。こういう時の為にも協会ホームページを見ておけば良かった。
端の方に進み始めれば、人は居るのに誰も喋らない空間に靴の音がカツカツと響く。私が進んで数歩で音が追加された。多分、緑の髪の少女が着いてきてるんだと思う。

「おう、ハルカ。俺の隣に座れよ」

端の方にジェノス、サイタマが座っており、サイタマの隣に空席が一つ。
『随分速いんだね』と座りながら言えば、「いつもこんなもんだけどな」とサイタマ。それに着いていくジェノスも十分凄いもんだけどなぁ。

携帯から協会のホームページを見ながら改めてこの空間に居る人を見た。
サイタマとジェノス。タツマキ。恐らくあの番犬マンと思われる着ぐるみの人。サイタマといつもゲームしてるキング。
あとは…金髪の人。フラッシュ。なんかあの人前髪が邪魔くさそうだな。そして爺さん、シルバーファング。

「ハルカ、ゾンビマンはどうしたんだ?一緒に行動してたんじゃなかったのか?」

このメンツを見て、私と来ているはずなのに居ないゾンビマンについて、ジェノスは聞いた。

『ん?あまりにも走るの辛そうだったからタクシーにゾンビマンだけ乗せて来たよ?』

それでも遅くなったみたいだけど、と追加した所で、なんか人が入ってきた。
頭にヤシの木のような、髷。

「よぉ、朝から呼び出しっちゃー面倒なもんだな!」
/ 318ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp