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風雷暴見聞録

第65章 63.


ああ、なんだか少し腹が立ってきた。身支度整えてしまったっていうのに幸せそうにすやすやスピースピーと寝て。

起こす為に名前を呼びながら揺するも、ちょっと唸ったくらいで起きない。
昨日の仕返しだと言わんばかりに、ゾンビマンの手に静電気を流す。指先を手に触れそうな位置まで近づけ、パチンッ!と短い音を立てて流した。
手を引っ込めてゾンビマンが何があったのか分からない様子で飛び起きた。

『おそようさん』
「おいハルカ!もっと可愛いらしい起こし方しろ!キスするだとか馬乗りになるだとか!人が折角待ってたってのに電気流すってお前、」

起きてたのかよ…!
『高電圧の方が良かった?』と左右の指先で電気が流れる様子を見せる。朝から盛っていたゾンビマンは口を閉じ、ようやくベッドから降りたのだった。

****

食パンを焼いて、卵とベーコンを食べる。丁度パンが無くなったから、買い物メモに書いておこう。私が今日、外出出来たらの話だけど。
朝食が終わり、サイタマがテレビを着けた。

現場中継が放送されている。何やら大きな事故が遭ったみたいだ。
流石にこの4人ともヒーローという職業なわけもあり、テレビに視線が釘付けになる。

内容はこうだ。旅客機が墜落したという事。
海に墜落したのは幸か不幸か、生存者が大勢居るという事。けれども…死者が今分かってる時点で40人も出ているという。まだまだ救出作業は続きそうだ。
不明者もまだそれなりに居るとは言え、大きな騒ぎだ。
サイタマがお茶を音を立ててすする。

「そういえばここん所ヘリとか墜落してるよな?」

もしかしたらここにいる全員が悟ったのかも知れない。この事故はある者が関わっているのではないか?と
それを確信させる様に、ほぼ同時に3人の携帯が部屋の中で鳴り喚いた。
ジェノスが、私が、ゾンビマンがそれぞれに電話に出る。私に掛かってきた相手は協会。
初めての臨時召集の電話。

通話ボタンを切り、ゾンビマンが通話を終えるのを待つ。ジェノスはとっくに終わっていた。
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