第62章 60.(微裏と回想のモブ裏表記有)
ぬちゃっぴちゃっという水気のある音が耳元で聞こえる。
ぞくり。
顔が熱い。そしてきゅっと下半身が緊張する。
私の衣服をずらし、首筋から肩まで吐息を荒げて舌が這う。
出来るだけ声のボリュームを抑え、制止しようと後ろの奴に掛け合ってみた。
『はっ、何やってんの…っ!そういうの、止めてくンない?』
腹部に回された腕で逃げられない。
それどころか、片腕が腰、腹部…と撫で回しながら上がってくる。これは大変危険だ。折角やましい事のないスキンシップだったハズなのに大人の階段を再び駆け上がっている。
「止まらねぇぞ?俺達はもう恋人同士なんだ、我慢してきた分、お前は俺にとってのとっておきのご馳走って事を思い出したら、もう…、興奮してきた」
大変危険。
私の腰に何か…そう、敢えて言うならば背後から脅すように突き立てられた手足ではない、棒状の先端がぐりぐりと当たっている。こんな状態になってしまった以上、66号の高まってしまった性の本能はそう簡単には抑えきれないでしょう。
再会した時もっと強く蹴っておくべきだったか、いや今はそんな過去の事はどうでもいい!
くすぐったさに身悶え、自分の口を押さえて必要最低限の会話だけ口を開けるようにする。
恋人になって今更かもしれない。後々ぶつかる壁が今迫ってきていた。
覚悟なしに私と行為して、後悔なんてさせたくない。
『66号、あんた…っ……私なんかとこれ以上の事したら、穢れるよ』
「穢れる?…ハッ、どういうこったか。俺はクローンだのそういったモン気にしない質なんでな」
私が思っていた事とは別の事。クローンである私にも毎月月経があった(ヒーローになる前は栄養が摂れてなかったのか定期的ではなかったけれど)
という事は生殖機能には問題は無い、と思う。もう割り切ってるからそこは良い。
問題なのが、ゾンビマンの再会するまでに起こった事だ。