第61章 59.
「……フーン、じゃあ俺が今からお前の服をひん剥いて丁寧に湿布を貼ってやるか」
『66号に任せたら、多分湿布貼るだけじゃなくなるし本気で遠慮しとく』
「そいつは良く分かってんじゃねーか」
そう言って打撲痕を指先で優しくさする。
というか、自分でも何となく勘付いてるけど、背中とか上手く貼れてないと思う。湿布なんて気休めよ、気休め。
そんな事が伝わったのがどうかは知らない。
ぬるりと生温かく湿ったモノが二の腕を這った。
『ひょえっ、い゛!?』
「おいおい、もうちょっと色気ある声出せンガッ!」
一発ゾンビマンをグーで殴った。もう反射的に。
ああ、もう…色々とこみ上げてくる。顔に熱が集まり、心臓が速く脈打った。
『どっ、どこ舐めてんだこのド変態っ!もう一発殴っ…』
ドン!
その音で静まる部屋。
壁ドン。私がゾンビマンにされているんじゃない。向こうの部屋からの忠告の壁ドンだ。どうやらさっきの私の声が向こうに聞こえてしまったらしい…キングとフブキ帰るまでは向こうに行けそうもないな。
そんな私の悩みなんて一切知る事なく、目の前で肩をプルプルとさせて声を殺し、笑っているゾンビマン。