第60章 58.
クソ、あとで何か仕返ししてやる!今はどう仕返しするか思いつかないけど!
私達が騒いでる中、メインの最客が声を上げた。
「何でB級のアンタの部屋にS級が4人も集まってんのよっ!」
あ、フブキ…ちゃんと私が昇格した事知ってるっぽいな。
そういえば、無事帰れたらメールするつもりだったのに出来なかったんだ。入院してて、帰ってから充電をして童帝に返信して…で忘れていた。
痛む頭を抑えながら体を起こした。サイタマが何でって…、と画面に目を向けたままフブキの質問に答える。
「え?ジェノスは弟子でキングはコレ(ゲーム)仲間だろ?ハルカは一緒に住んでるし、そのハルカのコレがそいつ、ゾンビマンだろ。当たり前だろ」
スッとサイタマが小指をたてやがっ…立てた。
静まる中、私はそのサイタマの人差し指を立てて電話に誤魔化したつもりだけれど誰もそれには触れてくれなかった。むしろ、せっかく立てた人差し指は再びゲームの本体を支える役に戻っていった。
私には恥ずかしさが残る。
そんな私に追い打ちをかけるように、困った顔をしたサイタマがこちらを向く。
「そんな恋人関係だとか隠す様な事じゃねーだろ?ただ、この前のはやめて欲しいんだけど、あの玄関先で『それ以上言っちゃ駄目だかんね!』」
ゲームオーバーの音がゲーム機から聞こえる。
「へぇ…?"この前の"、"玄関先で"…?」
一度私を見て、フブキの顔が生きの良い獲物を見つけた狩人のように見えた。
フブキがサイタマの服を摘む。
「で、何があったのよ?言いなさいよ」
「何、何?エロゲ展開でもあったの?サイタマ氏」
今聞き捨てならない言葉があったぞ。
本人目の前に居るっていうのに止めて!と私はサイタマに向かって何度も首を横に振る。首を振る度に私の髪が近くのゾンビマンの服を鞭のように叩くもんでうっとおしかったのかその髪をキュッと掴まれてしまった。
「なぁ、ハルカ。こいつらどうしても知りたいらしいしよ、あの時のここでやるか?」
『誰がするか、誰が!』
ニマニマと楽しそうに当事者、ゾンビマンまで言う始末。私には味方は居ないのか、この部屋に!あ、発言してないのはジェノスが居たな。珍しく茶化して来ないな。いつもならぐいぐい突っ込んで来るのに。