第58章 56.
『昇格祝いにゾンビマンにプレゼントして貰った』
「へぇー、あいつ、俺の刀、とか鞘に収めたい女とかそんな事言ってなかった?」
…?なんの事だかしらないけれど言われなかったな。
『どういう事?』
「……成人向けジョークだよ、忘れてくれ」
意味を聞くと「ばっか、お前になんか意味教えられる訳ねぇだろ!」と怒られた。ついでにゲームオーバーになった罪も擦り付けられて。私、悪くないぞ。
「ところでハルカ。刀を使った事はあるのか?包丁はやっと使える様だが、それとこれとは仕様が違うんだぞ?」
ジェノスが刀を見つめてから私へ視線を移した。
貰っておいて、立派にぶら下げておいて非常に言いにくい。そんなジェノスから視線を外した。
『……全くといって使った事が無い』
正面からハァー、というクソでかいため息が聞こえる。さっきからさ、サイボーグでもため息なんか出るのか。わざとやっている。
初めからゲームをやり直すサイタマを観察し始めたジェノスを確認して、私はメールの返信をし始めた。