• テキストサイズ

風雷暴見聞録

第58章 56.


泣くのと抱きつくのは変な事じゃないハズ。慰めて貰った、の意味をはき違えると危ないけど。とにかく一切性的な事はしてない!

食べている時はそういう事で一杯だったけれど、食べ終わって気が付いた。
あれ、お肉…私2枚しか食べてない。糸こんにゃくが数本だけ残った鍋のつゆを見る。誰だ、一枚余計に食べたのは。そう2人に問いかけると2人ともそっぽを向いて何も言わない。結局多く食べたのは誰だったのか…?

洗い物を済ませて、のんびりとくつろぐ。
そういえば、メール見て無かったな、と確認する。さっきまで充電をしていたから少し操作しても大丈夫なはずだ。通知には協会からと童帝からの連絡が入っていた。
童帝に遅くなってしまったメールの返信をしよう、と携帯を机の上に置いた。

「そういやお前、武器増やす事にしたの?」

チュドーンチュドーンとゲーム音を鳴らして、ゲーム機から目を離さずにサイタマが言う。この前キングと通信対戦してたゲームを特訓しているみたいだ。
こういう態度には慣れていた。というか、ゲーム画面から目を離さずともサイタマにはきっと見えているんだろう。見た目は…心の中だから言ってしまうけれど禿げて冴えない感じの男かも知れない。でも、超人的な力を秘めている。
多分その力の対価に頭髪が持っていかれたんだと思う。グッバイ、毛根…。

「ん……?お前今、なんか失礼な事考えてなかった?」
『ん!?そんなワケ、ない!断じて!……で、武器ってコレ?』

サイタマと会話している時、読心術でも使えるんじゃないのかって時が時々ある。考えてただなんて認めたらまた頭の話を繰り広げられるから、誤魔化した(誤魔化せたかなぁ…)
貰った脇差を手に取る。サイタマが「そう、それ」と変わらずゲームをしながら言った。

この刀…ゾンビマンが持ってるようなもっと長いのが格好良いと思うけど、色々と考えてくれたんだろうな。比較的持ち運びしやすい重さで、移動に害が無い長さ。おまけに機能が私の事を考えた作り。
全く、最後にあったのは数時間前だっていうのにまた逢いたくなってしまう。いつのまにか、こんなにも酷く彼に惹かれてしまっていた。
/ 318ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp