第51章 49.
──ヒーロー協会Z支部。
指定の会場までやってきた。
試験の時のような騒がしさは無く、出入りする人はまばらだ。とりあえずは受付に行こう。
自動ドアが開き、受付まで来る。係の女性が2人居て、私を見るなりお待ちしておりましたと一礼した。
「風雷暴のハルカ様、お部屋まで案内致します」
1人が私の前を行き、その面接会場の部屋まで案内してくれる。
昨日の晩、ゾンビマンは面接はどういう事をしているのかは分からない、というのとアマイマスクは怪人にとって容赦がない思考を持っている、と教えてくれた。
その容赦がないというのは、怪人が命乞いをしようが、些細な事だけしかしてなかろうが躊躇う事無く殺すのだという。爽やかな見た目でとんでもない思考を持っている男だ。
「こちらになります」
ドアを開け、中へと促す。
テレビに良く出ているアマイマスクという男(髪色と髪型が違うけど顔と雰囲気的に)と、その他2人。目立った外見ではなく、ヒーローじゃないかもしれない。
私は少し緊張しながら部屋に入り、軽く会釈した。
「やあ、初めまして。君の噂は聞いているよ」
テレビや雑誌通りに愛想を振りまき、話し掛けてきたのはアマイマスク。
『光栄です』と、私はお辞儀をする。
そこに掛けてくれたまえ、と一つあるパイプ椅子を勧められた。机は無くて、3人が座る席には机がある。話だけなのだろうか?
「さて、何故ここに呼び出されたか。分かるね?」
『はい、大体は。知人からの話や配布された手帳の内容で把握はしてます』
ランクが上がり、更なる上のランクに行く時、このまま残るか上に行くかを選択出来る。
A級2位の状態でというのは、アマイマスクが1位に居続ける…弱い者を上へと行かせない為。