第50章 48.
「ああ、確かアマイマスクが居るからじゃないですか?奴はランクが上がる時に上がっていい人材かを判断する1人らしいです。で、自身がA級1位だからおそらくは…
A級に留まる・上がらせないのならそのままA級2位、S級に上がるならS級にする、という具合に……」
アマイマスク、か。確か童帝が言ってたっけ。アマイマスクに気に入られてるだとか。私自身は会った事ないけど。
アイドルみたいな奴に見えてA級って、実は強いのか。その割にヒーロー活動している場面は見た事が無い。テレビで見るのは新作のドラマだとか新曲の発表だとかそんな面だった。
面接はそのアマイマスクと戦う事になるのだろうか?ヒーローという戦う職であるからそれもありそうだ。
『ねぇ、サイタマ。サイタマはランクが上がる時、アマイマスクと戦ったりした?それとも面接だけ?』
ん?と手紙を私に返しながらサイタマは首を傾げた。
「俺はねぇよ。見えない所で指示とかなんかやってんじゃねーの?もっとも俺が会わなかったのはB級だからかもしんねーけど」
うーん、ランク毎に違うんだろうか?
再びビリビリと引きちぎって中身を確認するジェノスに話を振ってみる。ジェノスはS級ランクだし、面接の体験していそうだ。
『ジェノスは?』
引きちぎるのを停止し、きょとんとしている。
「いや、俺は試験の結果が満点だったから、最初からS級だったんだ。ランクが変わる際の面接の経験は無いし、アマイマスクやS級のやつらとは関わってすらも居ない」
『満点は凄いよなぁ…』
ファンシーなマスキングテープで封のされた手紙を開きかけていると、吹き出す声で視線を上げた。サイタマが吹き出したみたいだ。
なんか私を指差している。笑いながら。