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風雷暴見聞録

第49章 47.


それよりも、クローンの件。探しながらランクを上げる為に怪人退治をしていきたい所だ。
場所を探る風神の力も、大体この方向だとかその程度。クローンに絞って探す事は困難。ピタッと場所を特定出来るもんなら最初からやってたし。

およそ10~15キロ先に怪人が居るかな?という手応えを感じ、私はコンクリートを蹴って跳ねる様に向かっていった。

****


気配を辿り、やってきた街にて。
重症者を出したという一部からの声。怪我人が出たのか怪しい見た目の怪人をようやく見付けた。
アホらしい状態ではあるけれど、警戒はしておこう。ベルトはとってある。もう武器も持っていた方が良さそうな気がする。

「我が名はアサルトマン!」
『へー、名前だけは強そうだな』

確か、強襲だとか突撃だとかそういう意味を持つアサルト。
目の前の敵は太り気味の人型に、鳥たちが啄む麻の穂を大量に着けている。
やはり、麻の実が大量にあれば鳥もホイホイやってくる訳で足下に鳩だとか雀だとか、沢山居る。頭にも欲張りな雀がしがみついて食べている。

『私が始末する前に、鳥達に始末されそうだけど』

追い払うのを諦めたのか、アクセサリーの如くくっついている。鳥が可愛い。アサルトマンと名乗る怪人はおっさんだけど。
その鳥まみれのおっさんはニタリと下卑た笑みを浮かべた。

「いや、チガウね。お前が始末されるんだ」

楽しそうに啄んでいた鳥達は動きを一斉に止め、コチラを見る。
一羽一羽がボコボコと小規模爆発するように体を変形させる。私の様に馬鹿にしていた一般人は悲鳴を上げて一気に離れて行った。
これは銃じゃ間に合いそうも無さそうな相手になりそうだ、と帯につっこみ、私は両手に何も持たない状態になった。
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